1月に観た映画

映画館には行けず。疲れているときに観た作品もあるので、なんともいえないけど、シングルマンが一番面白かったかな。

■湖のほとりで
イタリアのサスペンス。のどかな田舎町で起きた殺人事件の、美しい被害者の謎を追う。悲劇の連鎖を描いているけれど、犯人探しよりも被害者が殺されなければならなかった彼女自身の苦しみにもうちょっと重点が置かれていたらよかったかも。

シングルマン
最愛の恋人をなくし、自殺をするために用意周到に準備を重ねる主人公が生真面目かつ潔癖すぎて面白い。今日が最後の一日と思うこと。本気でそう思えたなら世界は違って見えるのかも。個人的にラストのオチは落としすぎだと思う。監督も生真面目すぎ。時代を何十年か前に設定しているので、落ち着いた色合いの風景や人々が美しい。

■エンジェル
前半はエンジェル(名前)のおばかっぷりに圧倒される。小説家としての成功を夢見る少女は世間から馬鹿にされても決してくじけない。思い込みの激しさは一種の才能である。持ち前のその才能で、夫へもたいへんな愛をそそぐのだが、彼女の夢見る世界と、世間や夫とのずれが次第に大きくなってくる。それはそうなんだけれども、エンジェルならすべてを超越してしまうんでは、とおもったり。年取ると馬鹿ではいられないのかなあ。

ひかりのまち
マイケル・ウィンターボトム監督が三姉妹を描いた作品。似てない姉妹だなあ。なんか妙にリアルだったり、ふわふわしたり、うまく感想が出てこない。。

スラムドッグ$ミリオネア
スラム育ちの青年がクイズ・ミリオネアで正解を重ね、全問正解まで間近、というところで、あまりにも怪しいので、不正疑惑が。ミリオネアって何回か観たことがあるけれど、普通のクイズ番組と違って高度な問題なのではなくて、単に知っているかどうかの運試しみたいなところもあるのだ。とはいえ、出自から当然不正を疑われ、何故正解を知っていたのか彼は説明することになる。つまり回想シーンとして過去が語られるわけだけど、なんだかそれが一問ごとに物語がぶち切れるので、私は集中力を欠いてしまった。ただ最初に提示されるように、そういう物語だし、ラストはああなるし、ということなんだな。うーむ。でもライフラインの使い方は感動的だよね。

■JUNO/ジュノ
エレン・ペイジがまだ子どもっぽい。言動は子どもそのもので、それを個性と言ってしまってよいのか…。彼女の大人度での理解を超える出来事、とか自業自得(苦笑)。でも自分の気持ちは曲げないし、常に前向きなのが素晴らしい。それにしても(実際はこんなすんなり行かないと思うけど)ティーンエイジャーの妊娠や養子縁組に対する文化の違いはすごい。。

マイレージ、マイライフ
せちがらいなあ(涙。。リストラが仕事。孤独だけど自由。旅そのものじゃなくてマイルを溜めることが生きがい。ある人から見れば何が楽しんだという人生。本人もうすうす気づきつつ、正すきっかけもなく少しずれたままの人生をできるだけ楽しく全うするつもり。そんな主人公をジョージ・クルーニーが演じている。彼はいいなあ。何でそんな人生を送っているのかと訊かれ、恋をしたことがないからと答えるシーンがすき。このシーンが後でじわじわ効いてくる。自分の言ったことはきっちり自分に返ってくるのかも。しかも思いがけないかたちで。ラストのシーンもなんともいえない味わいがあった。

DVD篇 9月に観たもの

マイケル・コリンズ
コリンズはアイルランド独立運動を指揮した指導者だが、現代のテロリズムの組織化された手法を確立した人物とも言われているそうだ。圧倒的名軍隊を有していたイギリスに、大きな譲歩をさせた。31歳という若さで暗殺された。この後も長く続いた内乱を思うと、もし彼が生きていたらと思わずにはいられない。理念だけでなく、現実的な実行力を持ち合わせた人物だ。

映画ではリーアム・ニーソンがコリンズを演じ、魅力的だ。
(ウィキペディア)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BA_(%E6%94%BF%E6%B2%BB%E5%AE%B6)

パブリック・エネミーズ
実在した銀行強盗、ジョン・デリンジャーとFBIの攻防を描いたもの。ジョニー・デップマリオン・コティヤールが華やか。そして彼らを追い詰めるクリスチャン・ベールが地味にいい仕事をしています。

この時代のギャングの逃走劇を描いた映画はいくつかあるけれど、FBI側からも描いているのが面白いと思う。デリンジャーを追い詰めるために、FBIの捜査がどんどん緻密になっていき、逆にデリンジャーはかっこいいんだけれども、時代から取り残されていくのが対照的で痛々しい。

■フィッシュ・ストーリー
森山未来のアクションが素晴らしい。でも他はテンポがゆるすぎて、どこに照準を当てればいいのかわからないうちに終わってしまった。

ハリー・ポッターと死の秘宝 part1

ハングオーバー
ハングオーバー=二日酔い、という言葉を覚えました。
特に大笑いするわけでないのだけど、記憶が飛んだ一晩の出来事の写真が最後に流れて、『あーはいはいはい(苦笑)』、の最後のところがいいんだな、これが。記憶が飛んで、写真だけ、というのがすごいいいです。あ、2回言っちゃった。

ハリー・ポッターと死の秘宝 part2

いよいよ終わってしまいそうなので、慌ててpart1のDVDを観てから映画館へ。ちょうど近くで2Dでやっていてよかった。ただでさえ暗い画面なのに、3Dだとなんだかよくわからないことになりそう。

シリーズ最後ということで、子どもたちの成長っぷりが面白い。特にエマ・ワトソンが溌剌としていて本当に可愛い。このシリーズの成功の半分ぐらいは彼女のおかげなんじゃないかとさえ思えた。

最後の秘宝、杖の謎は見ているうちにだんだん思い出してきて、なんとなく理解できたけど、注意深く原作を読んでいないと、何と何が繋がっているのかこんがらがってしまう。まあでも、ハリー・ポッターシリーズの最大の面白さはディテールにあるので、わからなくても大丈夫。

映像化することで、アトラクションに紛れ込んだ楽しさがあったけれど、逆にカットされた重要なエピソードも多かった。たとえば原作でハーマイオニーが奮闘するしもべ屋敷妖怪の解放運動の話がすごく好きで、全体を通しても大事なテーマを扱っていたのだけど、映画ではまるまるカットされていて、そういうところは残念。

でも素直に楽しかったです。よく同じメンバーで、がんばったとおもう。
それにしても子どもの名前に、アルバス・セルブス・ポッターって、なんかすごくいぢめられそう。。

コクリコ坂から

宮崎吾朗監督、脚本は宮崎駿アリエッティの脚本も宮崎駿で、個人的には、自分が監督しない作品からは宮崎駿は脚本から降りて欲しいと思う。監督の個性が見えてこないから。

この作品は学生運動の頃の横浜を舞台にしていて、その時代のことはよくわからないけれど、なんとなく懐かしい香りはわたしにも感じられた。中心となる学生会館のカルチェラタンの雰囲気は、今となっては憧れさえ憶えるかも。駿氏のなかでは『耳をすませば』と同じ系統の作品なんだそうだけど、中学生から高校生になったせいか、いや、吾朗監督になったせいかも、若い人たちの恋愛はすこし落ち着いて観られた。耳をすませばは気恥ずかしすぎ。ただ、中学の頃の恥ずかしいもろもろをきちんと描いてしまう駿氏はやはりさすがなんだと思う。耳をすませば…あんまり好きじゃないんですけど。。

そんなわけで、コクリコ坂は少し対象年齢高め。落ち着いて観られる小品だと思う。なんとなく皆が失いかけた純粋さがあって、わたしは結構好き。とはいえ、わたしが観たいジブリ作品ではないんだよな、、と思うと別のさみしさがありました。

少し話はそれるけど、東京駅地下のジブリのお店に行くと、アリエッティ、コクリコのグッズはやっぱりいらないよなあ…っておもう。コクリコはともかく、やっぱりアリエッティは残念だったなあと改めておもいました。監督に遊び心というか、子ども心があんまりないんじゃないかなあ。。

6月に観た映画

■ブレンダンとケルズの秘密
最近知ったのですが、京橋にフィルムセンターというところがあって、500円で映画が観れるんです! アイルランドのアニメーションをやっていたので、観てきました。作品として面白いかどうかは別として、アイルランド文化に触れられて大満足。絵が素敵でした。

■X-MEN ファーストジェネレーション
少し予習してから行ったけど、観たシリーズのなかでは、これが一番面白かったです。特に3がちょっと愛がないなあ…とがっかりしていたので、今回はキャラクタがしっかり描かれていてよかった。マグ二ートーが男前すぎて、何がどうなってあんな変なおじいじゃんになったのか謎だけど(笑)。あ、あとケヴィン・ベーコンがやっぱり好きだ! ジェームズ・マカヴォイにはだんだんときめきなくなってきたんだけど…、でも何だかんだいって好きです。はい。

以下DVD

コーラスライン
ダンスの友達が貸してくれました。映画版はすごい面白いとかじゃないけど、ラストの余韻がいいんですよね。オーディションに受かる人も落ちる人もいて、でも悲喜こもごもってよりは、皆何かを得て、すごく満足げな表情を浮かべるのが素敵でした。

アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち
めっちゃかっこいいです。踊りではなく音楽の方で、黄金時代を築いたひとたちがまた一同に会して、一夜限りのコンサートを行うんですが、正直むしろこのコンサートのDVDが欲しい!と思いました。CD探してみよう。。

■X-MEN 2
■X-MEN 3
1の内容をあんまり覚えておらず、アンナパキンはキーパーソンなのかと思ってたけど、そうでもなかった。なんかわりと地味なシリーズだと思いました。でもマッチョなヒュー・ジャックマンは素直にかっこいいですねえ。個人的にはイアン・マッケランが好きです。あ、あとエレン・ペイジが出てますね。

インセプション
やっと観れました。面白かった! キャスティングも絶妙で楽しめました。キリアン・マーフィとか、いるだけでぐっと来ちゃいます(笑)。映像的には無重力のシーンがすごかったなあ。アイディア的には、階層ごとに展開していくのがたまんないです。ディカプリオも久々に観ましたが、なんかイイ。。

■13人の刺客
DVDでの鑑賞なせいか、映画館で観た人ほどの感慨は受けませんでした。いくら架空の話でも、この殿様はない気がする。。二人の武士の(生き方としての)対決がいまひとつ。伊原さんの決めシーンが格好よかったけど、全体としては浮いていた。あと130人を斬って斬って斬りまくるラストのシーンでは斬って斬って斬りまくりすぎて敵が130人以上いたように思えてしまいました。個人的には、殿様サイドのシーンはひとつもいらない気がしました。スミマセン。それよりは13人のキャラをもうちょっと観たかったな。

■オーケストラ!
めちゃくちゃなロシア人とめちゃくちゃなフランス人がやりたい放題の楽しい作品。肝心のラストの演奏シーンで、うちのインコたちがテレビの上で大合唱。しかも何気に音と合ってるんですけど!! 可笑しすぎて腹よじれました。ヒロインが泣いちゃうシーンの泣き方がなんかわかるなあと思いました。

ゾンビランド
ソーシャル・ネットワークの男の子が今回も大活躍。似たようなキャラだけど、見ていて楽しい。ゾンビ度は残念ながら控えめだけど、キャラが皆面白くて、非常に楽しかったです! それにしても今回のゾンビは足が速いな!


書き忘れていたので、追記。
■once ダブリンの街角で
まさにアイルランド!という感じではないんだけれども(ちょっと期待してた・笑)、いい作品だなあ。心の奥にひそやかにしまっておいた宝箱を、そうだ、いまが開けるときなんだ、そんなおもちゃの鍵を見つけたような瞬間を味わいました。

とりたてて目標もないような様子で路上ライブをしている掃除機屋の息子と、移民の女性が歌を通して出会い、一緒にCDを作ろうとする話で、歌がすべてではないんだけど、何か驚くような縁を繋げたり、自分自身を救ったり、確かにそういうことってあると思う。

ヤギと男と男と壁と
はちゃめちゃなコメディかと思いきや、ちょっとほろっとしてしまいました。普段よりさらに濃ゆい顔で夢見がちな表情を浮かべるクルーニーが素敵。ジェフ・ブリッジスユアン・マクレガーもはまり役。この二人って、ちょっと浮世離れした感じがあるな。あと久しぶりに見たケビン・スペイシーが可愛かった(笑)。傑作!とかでは全然ないんだけど、くすっと可笑しい。たまにはこういうのもいいかも。

5月にみた映画。

少し被ってるけど
ナルニア国物語 第3章
これで終わりかと思ったら、まだ続編撮ってるみたいです。そんなにヒットしてるのかな…とか思いつつ、原作の方は魔術師のおい(6巻)まで読みました。6巻はナルニア誕生の物語。ここまで読んだなかでは今回の3巻目が好きかな。でも読み返してみるといろいろ発見がありそう。というわけで、好きな話なので映画も面白かったです。

ブルーバレンタイン
大好きなミシェル・ウィリアムズが出ているので観てきました。良い映画だったのだけど、夫婦のすれちがいを描いた作品で、なんだかとてもかわいそう。こういうの観ても誰もハッピーにはならんだろう…と思って、まあそれでもこういうのを撮る人がいて、観る人がいて、なんとなく不思議だなと思ったりしました。ハッピーじゃないけど、面白かったです。ミシェル…かわいすぎ。

ブラック・スワン
待ちに待ったスワン!きた!
と言うわけで、行ってきました。ストーリーやテーマはよくある話なのだけど、大胆にサイコスリラー風に味付けされていて、迫力がありました。わたしとしては、怖いというよりとにかく痛そうでした。。でもやっぱりこの作品のいいところは、クライマックスの舞台シーンと、ナタリー・ポートマンの演技がすばらしくて、やはり特にラストの方の彼女の表情にぐっと来て、妙に怖かったけど、良かったよー!ブラヴァー!と、劇中の観客と一緒に拍手を送りたい気持ちになったこと。久々に見ごたえのある作品でした。


(以下DVD)
ローラーガールズ・ダイアリー
エレン・ペイジ、初めて観たけど、かわいすぎ。困った顔をさせると天下一品です。あとジュリエット・ルイスが出ていて、久しぶりすぎて顔が認識できず、ずっとエミリー・ブラントと思って観てました(笑)。確かによく観るとジュリエットだ…(失礼)。ガールズ系の青春映画は思い出したように出てくるけど、こういうの結構好き。ドリュー・バリモア初監督作品ということで、なんか無茶振りみたいなシーンがちょこちょこあってウケました。女性監督がこういうのを取ると、男性キャラが面白いですね! コーチカワイイ。欲を言えば、ローラースケートのシーンが迫力不足。エレン・ペイジも速そうに見えないのが難。

■終着駅 トルストイ最後の旅
特に感想もないのですが…、トルストイ夫婦の痴話喧嘩が世間にダダ漏れなのがウケました。お屋敷の周りに常にたくさんの記者が張り付いていて、家出しても、いつのまにか湧いてくる彼ら…。なんか皆美声揃いで、罵りあっていても妙に美しい…(笑)。舞台劇でも観ているようでした。奥さんと出会った時のことを語るシーンがよかったです。

月に囚われた男
冒頭で、月に資源が、、というシーンでなんか複雑な気分にさせられましたが、それはおいといて。懐かしいというか、どこかデジャブな作品でした。こういうの結構好きなのだけど、もう少し何か欲しかった感じ。生真面目過ぎ。身体が腐っていく感じがよかったです。変態的な意味じゃなくて(笑)ストーリー的に。

■ぼくのエリ 200歳の少女
スウェーデンのヴァンパイア映画。丁寧な映像のわりに、ストーリーがちょっと雑な気もしましたが(特におっさんたち)、綺麗な作品。雪のせいか、夜でも風景がくっきりしていて、日本の空気感とぜんぜん違うなーと感心したり。美しく切ない作品ではあるのだけど、どうしてもラストと冒頭(少年とおっさん)がリンクしてしまって困りました。おっさんおっさんてすごい失礼ですが、他に表現のしようのない振る舞いぶり。子どもたちは残酷で美しいのに、なんかちょっと気がそがれました。いやはや。公式サイトのストーリー紹介がやばいです。

映画館篇

できれば後で書き直します…

キック・アス
これは面白かった!
キャラクタ、ストーリー、アクション、シリアス度など、すべてのバランスが絶妙。暴力シーンもどこまで凄惨にするか、計算し尽くされているのがよくわかる。

ソーシャル・ネットワーク
どってことないストーリーで、心揺さぶられるとか別にないのだけど、そのくせ妙に面白い。主人公のふてぶてしい態度とか、地味におしゃれな音楽やカメラワーク、なんだか可笑しい双子キャラとか。成功すればするほど孤独になっていく主人公。性格のわるい彼がソーシャルネットワークを作ったと言う最上級の皮肉。

■わたしを離さないで
キャリー・マリガン面目躍如! 当然小説のエピソードはごっそり削ぎ落とされているわけだけど、彼女の演技でだいぶ掬い上げられていると思う。ナイトレイなどと比べるとあまり興味の湧かない役者ではあるのだけど、いざスクリーンで観ると釘付けに。美しい映像も見所のひとつ。というよりは、映像(というか雰囲気)が主役だったかもしれない。

ナルニア第3章
なかなかいい出来だったと思う。どうみでも主人公無理!て感じの性格の悪い少年のことがきちんと描かれていてかなり好感が持てた。がんばったよ(笑)。忘れていたけれど、ナルニアは戦時中の物語なので、そのあたりを少し思い出しながら観るとナルニア国の本質が少し見えてくるような気がする。最初の4人の子どもたちは今回で卒業みたい。

ブルーバレンタイン
大好きなミシェル・ウィリアムズが出ているので観てきました。良い映画だったのだけど、夫婦のすれちがいを描いた作品で、なんだかとてもかわいそう。こういうの観ても誰もハッピーにはならんだろう…と思って、まあそれでもこういうのを撮る人がいて、観る人がいて、なんとなく不思議だなと思ったりしました。ハッピーじゃないけど、面白かったです。ミシェル…かわいすぎ。