LOOPER

http://looper.gaga.ne.jp
舞台は近未来の2044年

その30年後の2074年にはタイムマシンが開発されているが、使用は禁止され、犯罪者だけが違法に利用し、消したい人間を過去に送り込んでは、LOOPERと呼ばれる者たちに始末させている。面白いのは、やがてLOOPERたちの30年後の自分が送り込まれてきて、自分で自分を始末するとそこで契約が終了し30年間の余生が保証されるというもの。

さて、問題なのはここから。

もし、30年後の自分を殺さなかったとしたらどうなる?
もし、30年前の過去を変えることができたらどうなる?

(注意!以下ネタバレあります)
30年後からやってきたジョー(オールド・ジョー)は、過去を変えることで愛する者を救うため、のちにレインメーカーと呼ばれることになる子供を探し出し、抹殺しようとする。ややこしいのはこのオールドジョーは、現代のジョー(ヤング・ジョー)が抹殺し余生30年を送ったジョーなのだ。ところがヤングジョーはこのオールドジョーを殺し損ねたうえ、レインメーカーを守ろうとする。

なんというパラドックス

時間軸を一方通行と捉えてしまうと、意味不明なのだが、輪のようなもの、と考えてみると俄然面白い。過去の自分が未来の自分へ影響を与えるように、未来の自分が過去の自分へ影響を与えるのである。レインメーカーはおそらく復讐のためにLOOPERという存在を作ったのだろうが、LOOPERがいなければそもそも復讐する理由がない。考えようによっては恐ろしい物語だ。

テーマは因果応報。銃を与えなければ、自分が撃たれることはなかったし、子を捨てなければ、彼がモンスターになることもなかった。けれども、また逆もあるというラストが素晴らしい余韻を残す。

B級作品なのかなとは思うのだけど、めちゃくちゃ面白かったです。