八月のクリスマス

病気の主人公の最後の数ヶ月を静かに淡々と描いた作品。

小さな写真店を営む主人公のもとに、突然飛び込んできた女性との交流を主軸に、彼の友人・家族や店の客、初恋の女性などと静かに言葉が交わされてゆく。ドラマらしいドラマは起こらないが、日々を大切に生きているのがすてきだ。また、主演のハン・ソッキュの演技の素晴らしさに胸を打たれる。

映像の美しさというのとはちょっと違うのだけど、ひとつひとつの場面が美しい。二人は想いを確かめることはないのだけど、言葉にしてしまうと崩れてしまうものもあるのかもしれない。写真店に訪れる客とのやりとりも、想いを刻んでいく作業という点において、彼の生き方と深く関わっているのがよくわかる。残すものと持っていくもの。両方あったほうがいい。

※日本では山崎まさよし主演で「8月のクリスマス」というタイトルでリメイクされています。

八月のクリスマス [DVD]

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