善き人のためのソナタ
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舞台は東西冷戦下、ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ。壁崩壊(1989年11月)のニュースの記憶はおぼろげにあるものの、その前後の意味もわからない子どもだった。あれからまだ19年。
劇作家ドライマンはちょっと慎重さには欠けていたけれど、人間味豊かで、自分の芸術への情熱と理想を信じていて、そのことが彼を救ったのだと思う。けれど恋人のクリスタは信じることができなかった。
また、体制に染まりきっていた盗聴する側の人間、ヴィースラーはヘッドホンから流れてくる美しい音楽、新しい思想、愛の言葉に心を揺さぶられる。それを、彼は信じた。
崩壊後のラストのシーンは、現実にはこんなことは起こらないだろうと思う。思うけれども、芸術が自分や誰かを救わないのなら、それは無意味だ。自由への宣言として、やはりどうしても入れなくてはならなかったのだろうとも思う。
善き人のためのソナタ スタンダード・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2007/08/03
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