いのちの食べ方

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食の安全が話題になっている昨今、非常にタイムリーで興味深く観ました。説明はなく映像だけで展開する様々な酪農業の現場。生き物の野菜も、システマティックにこなされ、ベルトコンベアで運ばれてゆきます。傍らで人間はつまらなそうにランチを食べている。視点の勝利というか、映画としては非常に際立っていて、「すべてではない」と思いつつも身を切られるような心持になりました。
ヒトは生き物を殺して食べるということ、それと同時に、私たちが肉を口にするには誰かが殺さなければならないこと。さらにペットを飼ったりして身近な動物に愛情を注ぐことと、考え始めると上手く繋がらない。けれどせめて、ヒトも動物も、死んでいくときには怖くないように、痛くないようにと思います。自分が誰かに食べられるのはよいとしても、そういう風には死にたくないから。少し踏み出して、そのことについては、考えてもよいように思いました。彼らの悲鳴を聞き、恐怖の表情を見て。

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