禅 ZEN

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何かマニュアルでもあるんじゃないかと思ってしまう、角川らしさ(真面目なツッコミは不要である)に満ちた作品。不満はあるものの、道元の軌跡をたどる作品として興味深いものがあった。あの世で幸せになるというそれまでの宗教に真っ向から対抗し、この世で救われずになんとする、というスタンスである。自らの中に仏を見出すというもの。

悟りに至る様を表現したCGは、残念ながらないほうが良い。悟りをCGで描けるか?との自問は最低限必要だろう。中村勘太郎演じる、何となくの愛されキャラな道元は、凄みはないものの安心感がある。座禅や瞑想の効果は今でもきちんと認識されており、彼の教えは今でも息づいている。時代背景などの描きこみが足りないために、”救い”のカタルシスはないが、その代わり彼を慕う弟子たちの人間模様が面白かった。

永平の風―道元の生涯

永平の風―道元の生涯

現代文訳 正法眼蔵 1 (河出文庫)

現代文訳 正法眼蔵 1 (河出文庫)