アイ,ロボット

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アジモフの「われはロボット」にインスパイアされて作られた作品ということで、”ロボット三原則”が重要な要素になっている。三原則というのは簡単にいうと、1．人間を傷つけない（危険を看過しない）　2.　1に反しない範囲で人間の命令に従う　3．1と2に反しない範囲で自己を守るというもの。

ロボット工学の第一人者、ラニング博士が死亡した事件の容疑者として、ロボット嫌いの刑事スプーナーはロボットの”サニー”を容疑者にあげ、彼を追う。ものごとには常に例外があり、三原則は完璧ではない。三原則から開放されたロボット・サニーはラニング博士の愛を一身に受け、心の存在を身を持って訴えるのである。

ロボットが人間に反旗を翻すという要素はありきたりでいまいちなのだが、心の問題としては、割り切れない部分をシンプルに描き出し、ウィル・スミスが好演している。また、彼に協力するスーザン・カルヴィン博士（原作の中心人物）を登場させたのは遊びなのだろうか。本のイメージよりずいぶん美しい。全体としての印象としてはどこかパンチに欠け、傑作とはいいがたいのだが、どこか懐かしさが心地よく、思っていたよりも面白く、なかなかよい作品だと思う。なんといってもサニーの造詣がすばらしく、愛おしさが残る。

アイ,ロボット 通常版 [DVD]

われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)