マイ・ブルーベリー・ナイツ

http://www.blueberry-movie.com/
ウォン・カーウァイ独特のゆったりとした音楽と夢のような色合い、まったりとした空気は、英語作品になっても健在。これはこれでよかったが、何作も観たくはないかなとは思う。ヒロインのノラ・ジョーンズ初め、レイチェル・ワイズナタリー・ポートマンと、出てくる女優たちは皆似た雰囲気がある。上手くいえないけど、すっごくよくわかる。アジア人から見て、共有できる空気を持った人たちなのだ。

家のような存在のジュード・ロウ。久しぶりに観たら、やっぱり素敵。物語はブルーベリーパイのように甘いけれど、これはある意味カウンターでうたた寝する女の子の見た一瞬の夢のようなものなのだから、これでよいのだ、と思う。ロードムービーとしては、移動が線ではなく点なのが残念。ロードムービー好きとしては物足りなかった。カーウァイはもともと、断片をつぎはぎしてひとつの世界を作っていく監督なので、ストーリーを作り上げていこうとすると、どことなくぎこちない感じだ。でも好きな役者がたっぷり観れて個人的には満足。ノラの笑顔を見ていたら、わたしもそろそろ安心できる場所を見つけたいなあ…と思った(きゅんとするというより、切ない…)。