列車に乗った男

http://www.wisepolicy.com/l_homme_du_train/
パトリス・ルコント監督。なぜか高校のときに流行った。

どうもこういうタイプの老人に弱いので、かなりツボに入った。が、どちらかといえば、荒々しいが静かな詩情を秘めた謎の男を演じた俳優の方が新鮮で画面に華を添えていた。

裕福なお坊ちゃん育ちの老教授と荒くれ者のギャングといった風情の男は、まったく正反対のようで魂は鏡のように似ている。へんな言い方をするならば、偶然出会ったのではなく、魂が呼び合っていたのかもしれない。(下品さをはらんだ)上品でロマンティックな作品である。淡々とした日々の暮らしは端正で美しいが、一方で欲望の晴らし方を知らなかった老人は、風船を割るようにひとつひとつやり越したことを片付けていく。そのひとつの姉と和解するシーンが印象的だ。

個人的にはラストだけが面白くなかった。

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