ベジャール、そしてバレエはつづく

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スイス、ローザンヌに本拠地を置くベジャール・バレエ団。偉大な振付家ベジャールを2007年に失い、後を継いだジル・ロマンと団員のその後の挑戦を追う。

わたしがベジャールを知ったのは10年ぐらい前で、書道家の講演に行った時になぜか映像を観せられ、それがジョルジュ・ドン演じる『ボレロ』だった。書道とバレエがどう繋がるのかは…まあ置いといて、今思えばこれがダンスとの出会いでもあった。その後生でベジャールバレエ団を観たのは残念ながら2008年の追悼公演にて。運よく観ることのできたジル・ロマンの『アダージェット』は、ドンから引き継いだ演目で、彼の代表作でもあるそう。感動的な舞台だった。

今後彼は、バレエ団を率いて、新作を作り、ベジャールのバレエを守り、バレエ団を発展させ、それから他の振付家も呼んでいくとのこと。それはそうだなあと思う。けれど、ベジャールのバレエと新作と、どんどんバランスが難しくなるだろうなあとも思う。ロマンの険しい顔つきを見ていると、こちらまでお腹が痛くなりそうだ。

新作発表後の観客の喝采を聴く限りではまずは成功したようで、今年秋の来日が今から楽しみだ。

映画としては、残念ながら少し前に公開された『パリ、オペラ座のすべて』の方が面白い。主題ははっきりしていたが、ロマンの苦悩する様子ばかりが印象に残った。ベジャールや二人の歩んできた道にも光を当てるべきだったように思う。もしくは、公開を延ばし、新作のツアーが終わってから、新作の映像をある程度形にして観せるか。

▼実は未見…