借りぐらしのアリエッティ

アリエッティは人間の家の床下で暮らす小人なのだが、こちら大人なせいか、うまく感じがつかめなくて、どうも虫みたいな感じかな?と思うのでありました(失敬)。もちろんドワーフでもないし、妖精でもないみたいだし。人間のミニチュアなんですよね。

それはさておき、神木王子のキャラ(というか演出)に最初かなり戸惑ってしまった。声にエコーがかかっていて、動作もゆっさゆっさしてる。アリエッティには周りの音が大きく聴こえ、人間の見え方もわれわれと違うみたい。ほおおと思ったら、人と小人が会話を始めたら普通のトーンで互いに通じているので、身体の構造どうなってるんだ?とか。どうでもいいところです。。

基本設定として、人に見られてはいけない、という話なのだけど、翔が来た日に姿を見られ、初めての「借り」でまた姿を見られ、…ばか?とか思っちゃったのだけど、物語的にはそういう雑さが感じられた。雑というか逆に無駄がなさすぎるというか。時間をあと30分延ばして、もっとじっくりアリエッティの世界を描いてもよかったのでは。絵のディテールは素晴らしかったけど、物語のディテールはもっと詰められたはず。

翔の悪気のないおせっかいとアリエッティの邪気のない好奇心がぶつかり合って、結果的にあまりハッピーエンドともいえないと思うのだけど、一瞬の恋心というか、分かり合えた瞬間みたいなものがすごくよかった。彼らは種族が違うから際立って見えるけれど、世界が違って見える、そういう瞬間の訪れはわたしたちにも時にはあると思う。

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)