DVD篇

前回の更新からいくつか見ましたので…(いつ観たかは忘れてしまいました)メモっておきます。

■しあわせの隠れ場所
http://wwws.warnerbros.co.jp/theblindside/
実話を基にしているそうで、世の中にはこんなすごい人もいるんだなと驚愕。そんなすごい人をサンドラ・ブロックが好演している。いろいろ無茶したり、嫌味なおばさん風なしぐさとか、すごい合ってる(笑)。…褒めてる。最初から最後まで揺らがない明るく前向きな人生観に、いい気持ちにさせられました。

マイ・ブラザー
http://my-brother.gaga.ne.jp/
兄弟と兄嫁を軸にしたストーリーなんだけど、3人に等しくスポットライトが当たっていて、それが逆に印象を薄めてしまっていると思う。そうやって観客に一歩引かせてしまうと、客観的にはなれるけどそれに意味があるかどうか。それにしてもちっちゃい子のありえない抗議内容(その台詞)に血の気が引いたけど、海外では普通なんでしょうか…。いやはや…。彼女の台詞でぜんぶ吹っ飛んじゃいましたよ…。

ノルウェイの森

http://www.norway-mori.com/index.html
 原作は15年ほど前に読んだきり。この小説のテーマはざっくり言って”生(性)と死”だと思うのだけど、87年に刊行された60後半から70年代の物語でもあり、70年代というとこも外せないポイントだと思う。わたしにとっては出版された当時の熱狂はなんとなく想像できる程度で、また読んだ当時はまだ子どもだったこともあって、まったく興味が持てなかった。映画を見ながら理解できたことも多く、そうだ…こういう話だった…としみじみした。

 ワタナベ自身については特に思うところはないのだけど…、高原の療養所で朝っぱらから歩き回るシーンが好きだ。部屋を出るとき、えっそんな薄着で大丈夫?と思ったら本当に寒そう。でも寒いとかもう帰ろうよーとかは絶対言わない。言うことといえば『もちろんだよ』(笑)。うまくやりたいけど、誠実でもありたい。でもそもそも誠実とは何なのか、それがよくわかってない。なんだかそんな青年のような感じがする。忍耐強さについてだけは素晴らしいと思うが、つかみどころがなくて、女性はイライラさせられそう。

 愛する人を、そして自分自身を喪っていくこと。それに抗う、菊池凛子演じる直子の、生きることへの挑戦は見ごたえがあった。緑については、もう少し丁寧に描いてもよかったかも。最後のシーンになるまで、緑がワタナベのことを愛しているのがわたしにはわからなかった。それから直子と緑の役者の年齢のバランスはもう少し考えて欲しかったな。緑(水原希子の棒読み演技、結構好きだけど)が子どもっぽすぎる。

 個人的に小説のなかで一番インパクトのあったレイコさんについては、ちょっとあんまりでは。。直子を喪ったレイコとワタナベが生きていく決意をする大切な場面で、なんでそうなるのか説明がないので小説を読んでいないと理解できないだろう。

 実はすごくつまらないだろうと思っていたのだけど、個人的にはよかった。原作との立ち居地などで、見る人にとって様々な見え方のする映画だったように思う。その揺らぎがよい。今、わたし自身がすこし大人になったからすこしわかる気がする彼らの物語は、美しい映像の余韻に沈んで、『ノルウェイの森』という曲だけが最後に残った。そんな感じです。

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 オリジナル・サウンドトラック

ノルウェイの森 オリジナル・サウンドトラック

「チェブラーシカ」「くまのがっこう ジャッキーとケイティ」

「くまのがっこう ジャッキーとケイティ」
 チェブのついでで、全然知らずに観たけれど、これはいい! のんびりした台詞回しに、雲みたいなゆったりした動き。優しい色彩に気持ちのいい音楽。

 病気の友達のために花を摘みにいくジャッキーと、彼女を優しく見守る11人の兄。家族の役割とは一番ちいさい子をみんなで守ること。なんだかここ数年の面白かった家族ものの映画を観ていると、そんな図式が浮かぶ。

 くまはくまというよりぬいぐるみか。くまのぬいぐるみの世界の物語で、チェブとはまた別世界である。くまのがっこうのみ3編構成などでもよかったと思う。

チェブラーシカ
 ”ワニのゲーナ”のダイジェスト的なリメイクと新作(絵本から採っているかも)で構成されて、制作はなんと日本である。そんな愛情のこもった作品で、ビジュアル的には(ちょっと軟派になったなあとかおもうけど)素晴らしいのだけど、なんとなく物足りなさが残った。

 うーん何が足りないのかなあ…と考えてみると、チェブのもじゃもじゃ感と(これはわたしだけかも笑)、邪気のない毒気だろうか。。あとはきゅんとしちゃう、あのさみしい感じ。。
http://www.cheb-kuma.com/index.html


トロン:レガシー

http://www.disney.co.jp/tron/
 本当はキックアスを観たかったけれど、家族に却下されこちらに。昔の『トロン』という映画の続編のようで、トロンという人物も登場する(昔活躍したんだろうなあ的な、哀れなヒーローとして)。物語は、父の作った仮想空間に、息子が入り込み、父と再会してともに脱出を図るストーリー。

 仮想空間には3種類の人間(データ?)がいて、プログラムを作ったりアクセスしたりする人間、プログラムそのもの、自然発生したもの、なんだけど、皆共通して、背中にディスクをくっつけている。ディスクはディスクそのもので、彼らの記憶装置なんだけど、これをぶんぶん投げてバトルして、プログラムたちは大騒ぎ。

 意味はわからないけど、前半のいかにも仮想空間的な映像と、ディスクやバイクなどを使ってのバトルは(ちょっと酔うけど)映像としてとても面白い。

 後半親子が再会してから、ストーリーが動き出すわけだけど、後半のストーリーはしょぼくて、マドンナ役のクオラというキャラの愛らしさぐらいしか、見るべきところがなかった。しかしそんなクオラ的なキャラも、世界感もはや新しくはなくて、技術的にはすごいんだとは思うんだけど、全体として古めかしく、懐かしい印象のSF作品だと思う。アバターのような新鮮な驚きはない。

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(参考:トロン 1982年制作)
観たことあるかも。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3_(%E6%98%A0%E7%94%BB)