観ました3(仮)

今回4本なのは値段が元に戻ったからではなくて、時間がなくてぜんぶ観れなかったからです。。

Dr.パルナサスの鏡
これ劇場で観てもよかったなあ。なんてことないストーリーではあるけれど、この映画には確かに魔法がある!とおもった。ヒース・レジャー、本当に惜しまれます。出番は少ないけれど、脂の乗った一番いい時期なのがよくわかる。

時をかける少女
実写仲里依紗版。わたし仲さんのこと好きなんです。深キョンとか、ちょっとむちっとした女の子が好き。こたつから素足を出しているシーンがあって、美しいんじゃなくて、こたつとすごく合っていて、超かわいい。相手の男の子、中尾くんもよかった。この二人だとあまり役者目当てで観る人もいなそうだし、そういう邪念のない落ち着いた、いい作品。難をいえば、お母さん役が高校生の頃と雰囲気が違いすぎ。

17歳の肖像
キャリー・マリガンを観たくて借りてきたが、どうもこれ系(女の子の欲望丸出し的なものが苦手)の作品はあまり興味が持てず。原題は「教育」なんだそうで、「学校では学べないこと」を、少女が身をもって体験した様々なことを差していると思われるのだが、裏の意味としては、学校や先生から学んでいる言葉通りの教育が、彼女を育ててきたし、救うことにもなるんだろうと思う…のだが、どうなのかなあ。その辺りはあまり深く描かれてない。それで気になるところがふたつある。ひとつめは、相手の男性がうそつきでまともな仕事もしていないと、少女が知りつつも、華やかな世界を選択したこと。騙されたというのとはちょっと違う。ふたつめは、ラストの彼女の言い分だ。痛い経験を経ても、彼女はすぐさま立ち上がる。バイタリティがあるのは素晴らしいのだが、でも学ぶこと、生きることの本当の意味での歓びがこの世界にはある。というところまではたどり着いていない。さらりと描かれてはいるけれど、女の子の貪欲さがすさまじい。それにしても、嘘つくにしても、なんだかなあ。しょうもなさすぎて脱力してしまう。。あほか! バカップルが!

■ミスト
スティーブン・キングの素晴らしいところは、視点が多角的で、それぞれが、それぞれの思惑で動いており、なおかつひとつの世界になっているところだと思う。この作品はわりと地味めのSFホラー。ありがちな集団パニックへと物語は雪崩れ込んでいくわけだけど、こういうのは何度観ても、人間が一番怖い…とおもう。リンチされるか、エイリアンに食われるか、二者択一とかハードすぎる(苦笑)。見所はそのあたりと、衝撃のラストなんだろうと思うけど、むしろこの作品はラストにインパクトを持って来過ぎたせいで、何の話だったかよくわらかないことになっている。

ディゴ・モーテンセン主演の「ザ・ロード」が結構似た作品で、人に喰われるか、飢えて死ぬかのあれも怖いサバイバル映画だったけど、テーマがはっきりしていて、似たようなラストでもあるのだけど、それは仕方のないほかに選択肢のない結末であって、軍配は「ザ・ロード」に挙げたいとおもいます。重くてぜんぜん楽しくない作品ですが。。

観ました2(仮)

4本で1000円だったのが、5本で1000円になってました。つか、1本200円にしてくれたらいいのに〜。

カールじいさんの空飛ぶ家
→そこそこ面白かったけど、やっぱりピクサーは人間が主人公じゃない方がいいなあ。

ジュリー&ジュリア
サンシャインクリーニングの女の子ですね。ショートの方がかわいい。メリル・ストリープのジュリアが素晴らしかった。ジュリアパートは文句なし! 過去のジュリアと現代のジュリーをうまく絡めて書いているけれど、現代パートでは料理をもっと出した方がよかったかも。あとジュリアに誤解されたままフォローがないのはまずいんじゃ。。

ハート・ロッカー
映画としては面白いのだけど、個人的には特に感想なし。アバターに軍配あげたいけどなあ。。
結局イラク戦争について考えていかなくてはならないと思うのだけど、そこをなんだか巧妙に避けるよう誘導されている感じがした。

■空気人形
リアルドール対決は「ラースとその彼女」に軍配(笑)。空気抜けちゃうところまでは面白かったんだけど、どうもこの監督とはそもそも好みが合わない感じ。ぺ・ドゥナは素晴らしかった。

■ファッションが教えてくれること
ヴォーグ9月号ができるまでを追ったドキュメンタリー。アナさん以外は皆わりと普通の服を着ているなあと思いました。アナさんと対立するグレイスさんの哲学はすごく共感できたけど、この映画の言わんとしているところは全然わからなかった(笑)。ヴォーグ読者にとっては裏側を見れて楽しかろう。テンポがいいので、わりと楽しめました。

観ました(仮)

余裕があればきちんと書き直します。
サンシャイン・クリーニング
→今いちばん気になる女優、エミリー・ブラントがやはりいい味出してました。まあでも、彼女は他の映画の方がいいし、作品としてもリトル・ミス・サンシャインの方が面白いです。負け犬家族万歳。姉妹ものは結構好きです。お姉さんは自分から負けてましたね。ちょっと痛々しかったです。
イングロリアス・バスターズ
→面白がりどころが見つけられず。。
戦場でワルツを
→映像すごい。虐殺を行った側からの、引き気味の視点。現実感のない戦場の空気に、そうなのかもなーとおもう。
■誰がため
→主役のひとがよかった。相棒が頼りなく、「ヨ〜ン…(あのな…)」みたいなツッコミをずっとしていました。ナチス占領下のデンマークに実在した、2人のレジスタンスの生き様を描いた作品。民衆の力、というのはあると思うのだけど、圧倒的な権力に対する個人規模の暴力での抵抗は、やはりうまくいかないなあ…と改めて思いました。

鴨川ホルモー

小説を読んで、鬼合戦の映像が見たくなって借りてきた。ジャケットを見て…うーむ、と思ったものの、思っていたよりは悪くなかった。京都の大学生たちが、鬼(式神)を使って、バトルを繰り広げる青春作品。使い手の個性と力量に見合った鬼たちなんだな。見慣れてくるとあれはあれで結構かわいい。

凡ちゃんというダサい女の子は栗山千明が演じていて、それはないだろ!と思ったけど、さすがあれはあれでなんかいい感じ。ただしラストで普通の格好に変わるのはやりすぎでしょう(なんか現実に引き戻された…)。まあ…原作でもそこは気に入らないところ。別にちょんまげだって凡ちゃん眼鏡だっていいじゃんよう。。

付け加えられた女同士の戦いがある意味ハイライトだったように思う。芦名星もえ…と思ったけどあれはあれで。すごい下手でびっくりするけど。主人公のライバルの芦屋、先輩のスガ氏はちょっといまいちだったなあ。

作品としては原作ありきで、もうちょっと面白くできたかなーとは思うのだけど、意外と役者さんたちが熱演していて楽しめた。鬼に指令を出すのに鬼語(振り付き)で指示するのだけど、あれは実写で見たほうが面白い。鹿男みたいにドラマでやらないかなあー。

鴨川ホルモー [DVD]

鴨川ホルモー [DVD]

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

借りぐらしのアリエッティ

アリエッティは人間の家の床下で暮らす小人なのだが、こちら大人なせいか、うまく感じがつかめなくて、どうも虫みたいな感じかな?と思うのでありました(失敬)。もちろんドワーフでもないし、妖精でもないみたいだし。人間のミニチュアなんですよね。

それはさておき、神木王子のキャラ(というか演出)に最初かなり戸惑ってしまった。声にエコーがかかっていて、動作もゆっさゆっさしてる。アリエッティには周りの音が大きく聴こえ、人間の見え方もわれわれと違うみたい。ほおおと思ったら、人と小人が会話を始めたら普通のトーンで互いに通じているので、身体の構造どうなってるんだ?とか。どうでもいいところです。。

基本設定として、人に見られてはいけない、という話なのだけど、翔が来た日に姿を見られ、初めての「借り」でまた姿を見られ、…ばか?とか思っちゃったのだけど、物語的にはそういう雑さが感じられた。雑というか逆に無駄がなさすぎるというか。時間をあと30分延ばして、もっとじっくりアリエッティの世界を描いてもよかったのでは。絵のディテールは素晴らしかったけど、物語のディテールはもっと詰められたはず。

翔の悪気のないおせっかいとアリエッティの邪気のない好奇心がぶつかり合って、結果的にあまりハッピーエンドともいえないと思うのだけど、一瞬の恋心というか、分かり合えた瞬間みたいなものがすごくよかった。彼らは種族が違うから際立って見えるけれど、世界が違って見える、そういう瞬間の訪れはわたしたちにも時にはあると思う。

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

瞳の奥の秘密

http://www.hitomi-himitsu.jp/
アカデミー賞外国語映画賞受賞作品のアルゼンチン映画。アルゼンチン、というところに惹かれて鑑賞。1974年に起きた殺人事件と25年後の現在を絡み合わせ、見事なドラマに仕上がっている。

事件の核心についてはまあ何となく想像がついたのだが、注意しなくてはならないのは1974年という時代だ。昨年イーストウッドの『チェンジリング』を鑑賞し驚いたわけだけど、時代は違うけれど本当にめちゃくちゃな時代が存在する。最終的に権力に屈してしまった判事や被害者の夫たちは、その後それぞれの道を歩むことになる。

サスペンス部分も面白かったけれど、見所は25年を経てからの彼らの選択だろう。彼らはずっと25年前の続きを生きていて、でも事件そのものへの執念というよりは、自分自身の生を生きることを諦めていない。余韻の残るいいラストだった。

El Secreto De Sus Ojos

El Secreto De Sus Ojos

ラースと、その彼女

のどかな田舎町に住む極端にシャイな青年ラースがある日連れてきた彼女、ビアンカ。彼女っていうのはリアルドールなんだけれども、ラースはちょっと頭がおかしくなってしまっていて、ビアンカを嬉々として普通の彼女として皆に紹介してしまうので、周りの人間は大困惑。そりゃそーだ。

でもそこからの展開が予想外ですごかった。周りの人間の理解力がすごすぎてある意味ファンタジーになってしまっているけれど、ちょっと驚きだったのは、ファンタジーの源泉がそこに在ったこと。いい話に感動したというよりは、想像力と理解力と愛情と、苦しみと。そういうものがゆるやかに描かれていて、すごく素敵な作品だった。オススメ。
http://lars-movie.com/

↓メモ↓
南極料理人
僕らのミライへ逆回転